まつきあゆむ(26歳/ミュージシャン)Part.4|20代クリエイター限定インタビューマガジン creatalk

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4.ビートルズと庵野秀明

まつきあゆむ(26歳/ミュージシャン)
ーー音楽以外で興味あることってあります?

「まぁ大抵ありますよ、ゲームとかマンガとか。あとアニメもだし。あとウェブ関係も好きですかね。やっぱり刺激的ですよね、タンブラーとかツイッターとか。新しいものが出て来てはどんどん淘汰されて行く感じって言うのはすごい正直だし」

ーー漫画で最初に「面白い!」って感じた作品って何か記憶にありますか?

「なんだろうなぁ。でも『ハイスクール奇面組』(集英社)とかすごい好きでしたね。それは世代論とかでは全然なくて、僕って結構時系列無視して読んじゃうんで。週刊雑誌で最新のものも読んでたし、ドラゴンボールとかもリアルタイムで読んでいながら古いのも読んでて」

ーー今は週刊漫画はもう読まないですか?

「いや、結構読むんですよ。スペリオールとスピリッツとモーニングとヤングジャンプと、あとたまにフィールヤング」

ーー多いですね。というかフィールヤングって可愛い(笑)。最近のオススメはありますか?

「リアルタイムで読んでていちばんワクワクしてるのは 『GANTZ』 (集英社)ですね」

ーーあー! でも今って休載してるんじゃなかったでしたっけ?

「いや、今はもうやってますよ。もうすごい局面で! 絶対読んだ方がいいですよ!」

ーーそうかもう始まってるんですね。再開してからは全然読んでないです。

「僕もね、これからずっとドラゴンボールみたいに強さのインフレーションみたいなことが起こる漫画になるんだったらもう読まなくていいや、って思ってたんですけど。でもカタストロフィが起きて、この2010年にカタストロフィを書く奥浩哉さんはすごいなって思うんですよ。僕はSFっぽいものとかもすごい好きなんで、読んでて元気出るしドキドキしますよね。でも実際にあの場に自分がいたらすぐに死ぬキャラですよきっと。エリアから出ちゃったりとかして」

ーー首輪がボンッ! ってなる人だ(笑)。

「そうそう。ダメな死に方する脇役ね」

ーー映画は観ますか?

「映画はね、決まったものを年に10回くらい観返すっていうのが高校くらいからずっと続いていて、新しいのを全然見てなくて。いかんなとは思うんですけどね」

ーーじゃあ映画館には全然行ってないですか?

「もう全然行ってないですね。でも『破』( 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』 /09年)は10回くらい観ました」

ーーおー出た。あの映画はすごかったですもんね。

「僕の周りでも3、4回くらい観るのは当たり前になってたっていうか。あの映画の新しいところってそうだったと思うんですよね、何回も観て始めて話が成立するっていう。あとは日本映画が僕は好きなんですよ。中学生の頃に岩井俊二監督が好きで、それで色んな刺激を受けたはずなんですけど、新作は観なくなっちゃったなぁ」

ーー昔から観返しているのはどんな作品ですか?

「これは本当にマニアックになっちゃうんですけど、 『金融腐蝕列島 呪縛』 (99年)の原田眞人監督の 『バウンス ko GALS』 (97年)って映画があって。僕は90年代後半が好きすぎるんですよね、きっと。女子高生もので、ブルセラとかルーズソックスとかそういう単語がいっぱい出て来て、青春群像劇みたいな感じのもので。これはもう個人的な感情もあるんでしょうけど、観た時のことも結構鮮烈に覚えてますね。あとは庵野さんの 『式日』 (00年)もかなり大きいです。ヱヴァより衝撃を受けたかもしれない」

ーー何が良かったんですかね?

「それはもうね、庵野秀明っていう人間が好きとしか言えないですね。またちょっと話が絡み合って来てしまうんですけど、岩井俊二が主演で藤谷文子って人物がいて、庵野さんがディレクションしていて、僕の中ではビートルズみたいなもんなんですよ。ポールがいてジョンがいてジョージがいてリンゴがいて、全部必然みたいな。それが奇跡的に上手く行ってるっていう。 『式日』 も庵野さんがいて岩井俊二がいて全部混ざり合って成功している、みたいな映画で」

ーーまつきさんの中で庵野さんの存在は大きいですか?

「すごい好きなんですよね。好きというか、信頼しているというか。あんまり裏切られた覚えが無いんですよ。最初のほうにも言いましたけど、ダメだとダメって言うんですよね、あの人は。ゴメン! って言われてずっと待ってると、やっぱりすごいものを返してくるっていう。だからそういう意味で信頼関係があって、別に会ったこともないんだけど僕は信頼してるし、庵野さんも僕に嘘をついてないんです。まぁ、今回はちょっと長かったですけどね。『序』(『ヱヴァンゲリオン 新劇場版:序』/07年)で「エー!!」って思いましたもん。「これはないよ!!」って。ずっと信じてたのにこれはもうさすがに許せん! って本気で思ったんですけど、『破』を観たらもう恐れ入りましたってなっちゃいましたから。作ってる作品で説得力を出してるから、本当に芸術家としてはいちばんベストですよね」

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まつきあゆむ
(26歳/ミュージシャン)

まつきあゆむ(26歳/ミュージシャン)

1983年生まれ。14歳で自宅録音を始め21歳でCDデビュー、その後4枚のアルバムをリリース。07年にはmyspaceで毎週永続的に新曲を発表すると宣言した「新曲の嵐」をスタート。
2010年1月1日にダウンロード限定でまつきあゆむが直接販売する『1億年レコード』を発売し、リスナーから活動資金のための寄付金を集めるMAF(マツキアユムファンド)を開始したことで話題を呼ぶ。今年4月には全国を旅行しつつ、旅先でのライブをUSTREAM中継するスタイルのツアー「旅行」を敢行。
USTREAMにてインターネットラジオ「ほうかご実験クラブ」を毎週土曜日放送中。

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