木下晋也(29歳/漫画家)Part.6|20代クリエイター限定インタビューマガジン creatalk

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6.できれば放っておいてほしい(笑)

木下晋也(29歳/漫画家)ーー今は漫画家の仕事としては『ポテン生活』っていう大きな柱がありますが、今後仮に『ポテン生活』が急に打ち切りになったりしたら結構大変なことですよね。やっぱりそういう不安は漫画家をやってる以上はどうしても付きまとってくると思いますが、危機感はありますか?

「それはありますね、一応不安はあります。んーでも、もう今は会社勤めしてる人も同じくらいの不安はあるんじゃないかな、って気もしますけどね。あまり不安不安って考えすぎないほうがいいというか、やっぱり漫画に影響出て来ちゃったりすると思うんで」

ーー暗い内容になっちゃったり?

「そうそう(笑)。多分すぐなっちゃうから」

ーーちなみに将来のことで言うと、結婚願望ってありますか?

「あ、結婚することになりまして。年明けくらいに決まったんですけど」

ーーうわ、そうなんですか!! おめでとうございます。この話って掲載しても大丈夫なんですか?

「あ、別に問題ないですよね? アイドルとかじゃないですし。……多分」

ーーじゃぁこのまま載せちゃいますね。ちなみに相手のご両親とか、もちろん木下さんのご両親も含めてですが、漫画を描いてるっていうことにはどういう風に言われてますか?

「彼女の親も漫画描いてることはもうもちろん知ってるんですけど、うちの場合は家族がほとんどお互いに関与しないというか、ほったらかしな家族だったので。仲が悪いとかではないんですけど。今良く考えるとおかしいくらいに放ったらかしだったんですよ。父親は常に2階の自分の部屋にいてほとんど話さなかったですし。最近はちょっと話すようになりましたけど、でも今はもう勝手に描いてて下さいって感じなんじゃないですかね?」

ーーそうなんですか。反対とか賛成とかもなく。

「そうですね。だからそういう距離感とかも今の漫画には出てるかもしれないですよね。お互いに関与し過ぎたりすることなく、自分の距離感を保ってる人たちですもんね」

ーー大賞を獲ったとか連載始まったとかも知らせなかったんですか?

「一応知らせはしたんですけどね。だから単行本もいっぱい買ってくれたりしてるみたいなんですよ。でも内容は全然ちゃんと読んでなくて、コレなにが面白いのか分かんないって思ってるはずです」

ーー面白いとかつまんないとか、そういうのは言われないですか?

「親からは聞かないですね。兄弟はたまに言ってくれたりしますけど。モーニングも毎週買ってくれてるみたいなんですけど、多分何にも分からないで読んでますよ(笑)」

ーーまぁ親くらいの世代だと笑いの感覚も違いますしね。

「そうですよね」

ーー東京に出て来てから漫画を描き始めて、その頃に思い描いてた漫画家像と実際に今の自分の姿のギャップってありますか?

「こんなこと言うとアレですけど、意外とそこまで大変じゃないなっていうのがあるかもしれないですね。家で出来るし、それほどバタバタした感じでもないし。漫画家ってやっぱり缶詰めみたいな生活ってイメージはあったんですけど、意外と普通の生活しながら描けてるなって。まぁ、今の所はって話ですけど」

ーー週刊の連載を持っている漫画家さんの中ではかなり珍しいですよね。

「そうですよね、本当に忙しい中必死で描いてる漫画さんたちに怒られちゃいますよね」

ーー漫画家を目指し始めた当時になりたかった漫画家像っていうのはあったかと思うんですが、そういうイメージに対して今の自分の姿はそれに近づけていますか?

「今の所は思ってる感じにはなって来てるかもしれないです。この先が全然長いんでまだまだ分からないですけど、今はやりたいことはやらせてもらってる方だとは思ってます」

ーーではあと半年ちょっとで30歳になられますが、この20代の10年間はどんな感じでした?

「30 代の準備に使われた10年間だった気がしますね。大学行ってお笑いをやってみて、それがダメだって分かって、漫画をやってみてなんとか連載を始められて、それでちょうど30歳。こっからどうしていくか、っていう。下準備を10年間かけてやったのかなっていう気はします。でもまぁ、楽しく暮らせて来たと思います(笑)」

ーーこの10年が準備だったとしたら、次の10年が勝負だとか、もっと頑張らなきゃっていう想いはやっぱり強いですか?

「そうですね。でも具体的なプランはないですけどね。また流され流されでうまいようになっていけばいいなって(笑)」

ーー10年は早かったですか?

「早ったですね。もっと苦節とかをしてたら長く感じてたかもしれないですけど、ちょっとトントン拍子でここまで来てしまったっていう感じがしてて。だからこれは不幸なことかもしれないですけどね。苦節がなかったから不安っていうことも感じます」

ーー将来はどんな漫画家になりたいとかどんな作品を描きたいっていう展望はありますか?

「ベテランみたいな感じにはなりたくないというか、常に若手みたいな感じでガンガン笑わせにいく感じというか。長く続けたとしてもそれにあぐらをかかないでいたいですね。持ち上げられるのもあまり好きではないというか、苦手なんですよ。褒めて伸ばすとか叱って伸ばすとかよく言いますけど、僕はもう放っといてほしいんで(笑)」

ーー何も言って欲しくないですか?

「叱られるのはもちろん嫌で、褒められても今度はその人に合わせなきゃって思ったりしちゃって。だからほっといてくれたら僕は黙々と描いてますんで、読んで頂ければ、っていう(笑)。そういうのも家族の感じがあるのかもしれないですね」

ーーあと、これも結構色んな人が気になってる部分だと思うんですが、絵柄としてはああいうテイスト以外には……

「あぁ、全力でアレなんですよね」

ーーなるほど(笑)。

「さっきも少し話しましたけど、オチ以外の部分で突っ込まれたくないとか関係ない所でひっかからないようにっていうのは、絵では全然実現出来てないんですよ。この人すげー顔デカくない? とか、こんな体の曲がり方しないでしょ? とかで笑われちゃうことも多くて、そこはちょっと最低限しっかりやりたいなっていうのはありますね」

ーーあえてああいう絵柄にしてるっていうよりも、あの絵柄になってしまう。

「そうなんです。ほんとにアレで全力です(笑)」

ーーでは最後に30歳までの目標ですが、何かありますか?

「はい、もうあと半年しかないですけど、絵をもっと上手くなるように頑張ります!」

木下晋(29歳/漫画家)

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木下晋也
(29歳/漫画家)

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きのしたしんや……1980年大阪生まれ。
06年に 『ユルくん』 (東京漫画社)でデビュー。8コマ漫画 『ポテン生活』 で 08年の講談社MANGA OPENで大賞を受賞し、モーニング、モーニング・ツー、モーニング公式ウェブサイトにて同作の連載をスタート。現在は他にまんがくらぶ(竹書房)、季刊真夜中(リトルモア)などに連載を持っている。『ポテン生活』は現在コミック1巻〜3巻が絶賛発売中。

【公式ウェブサイト】……『ポテン生活』木下晋也

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