木下晋也(29歳/漫画家)Part.4|20代クリエイター限定インタビューマガジン creatalk

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4.どんどん流された方がいい

木下晋也(29歳/漫画家)木下晋也(29歳/漫画家)

ーー調べた所によりますとプロレスがかなり好きだということですが、昔から好きだったんですか?

「テレビで見始めたのは小学校の終わりくらいでしたかね。ずっとテレビでしか見てなかったんですけど、上京してから後楽園ホールが近くにあるんだしちょっと観に行ってみようって思ったんです。それで何回か観ているうちにどんどんハマっちゃって」

ーーK-1とかPRIDEみたいな総合格闘技ではないんですよね?

「格闘技もやってれば観ますけどね。でもプロレスです」

ーーどんな部分にハマったんですか?

「そうですねー、レスラーと会社と観客の思惑が混じり合ってストーリーが出来ていく感じに惹かれますね。会社的にはプッシュしたいんだけどイマイチ観客に支持されないレスラーがいたりとか、だんだん人気が出てきたのに急に違う団体に移籍しちゃったりとか。あとは若手の成長とか、世代闘争とか……。リング上の戦いももちろん面白くて好きなんですけど」

ーーうーんコアですね(笑)。普通の格闘技のほうがストレートで分かりやすいし、今はプロレスよりも格闘技のほうが人気もありますよね。でも少し想像を膨らませた一歩先にある面白みみたいなものを感じてるんですかね?

「そうなんでしょうね。観たあとに「ここはこうだった」とか今後の展開を予想したりとか話すのも面白いし。「あいつはもうちょっとこうしたほうがいいんじゃないか」とか。格闘技って専門的なことは分からないですからね。タックルはどうだったとかパンチがどうとか素人には分からないじゃないですか」

ーー勝ち負けが全てですもんね格闘技は。あと漫画以外で好きなことってありますか?

「そうですね、落語がここ2、3年好きですね」

ーーああ、落研でしたしね。

「でも大学時代は落語は全然好きじゃなかったですけど(笑)。一回生の時は初めに一席何かをやらないといけないんですけど、すごい嫌々やりました。ネタが載ってる本をいっぱい見て、いちばん短くてすぐ出来るやつを探してやったんです」

ーー落語が好きでというよりも、お笑いが好きで入ったっていう?

「そうですね。あとは同じ学科にいた人が落研に可愛い子がいるからって言ってて、それでちょっと通ってるうちにいつの間にか入ってたというか。もう流されるままです(笑)」

ーー笑いに関してはお手本というか参考にしているものや、今までに影響受けたものとかはありますか?

「それはやっぱり今活躍している芸人さんとか、ギャグ漫画家さんとか色々ですね」

ーーギャグ漫画だとどういうものが好きでした?

「やっぱり子供の頃から色々読んでましたけど、『伝染るんです。』(小学館)がすごい流行ってた時期でしたし好きでしたね。あとは相原コージさんとか長尾謙一郎さんとか。あとは『じみへん』(小学館)もすごい好きですね」

ーーでは書いて頂いたアンケートについてお伺いしますが、まず集中力はないんですか?

「そうなんです。映画の2時間が観れないんですよね。結構面白いなって観てるのに眠くなっちゃったりとか。集中力は本当にないですね」

ーーじゃぁ映画は全然観ないんですか?

「滅多に観ないですね。でもこの前久しぶりに『ゴールデンスランバー』を観てきました。伊坂幸太郎さんの小説は読んだことないんですけど、なんとなく」

ーー2時間ちゃんと観れました?

「観れました(笑)。楽しかったです」

ーー学生の時は部活って何かやってました?

「やってないんですよ。スポーツは一切ないですね。多分小学校の頃にトラウマがいくつかあって」

ーーそのトラウマってお聞きしてもいいですか?

「いやーあの、元から運動神経が全然ない人なんですけどね、サッカーでゴールキーパーをやってる時に、転がって来たボールをダイレクトで蹴ろうとしたら空振しちゃて、ボールがそのままゴールに入っちゃったっていうことがあって(笑)。ソフトボールとかもやらされたんですけどどすごい下手で。ボテボテなフライをキャッチしただけで「オー」って周りが盛り上がるくらい。そういうのが積み重なってもう運動は嫌だなって」

ーーなんか『ポテン生活』に出て来そうな話ですね(笑)。では気になるクリエイターの内藤さんという方ですが、これはレスラーの方?

「そうですね。まだ若手の方なんですけど、すごい才能を感じさせるというか」

ーーそれはプロレス的な才能ですよね?

「そうですそうです。だからこれからどういう風に活躍していくのかが気になるんですよ。プロレスって歌舞伎の型みたいな、攻撃を受けた時の受け身が綺麗な選手が結構いて、ずっと観ていたくなっちゃう人っているんですよね。演技がうまい役者さん見てるのと同じような感覚なんですけど、それって多分才能で、努力じゃどうにもならないんだと思うんですよ。そういう動きの才能を感じられて楽しみな選手なんです」

ーーなるほどー。さすがプロレスファンですね(笑)。では次ですが、流されやすいことを自分の武器って捉えてるのはちょっと面白いですよね。結構感化されたりしやすいんですか?

「んー、自分で考えて上手くいったことがないっていうのがあって。落研に入ったのも流されてだったし、実は芸大入ったのもそんな感じで。当時は芸大の存在なんて知らなかったんですけど、知り合いが芸大の放送学科に入ったっていうのを聞いて、そういうのもあるんだったらそれでいいやって思っちゃって。一応普通の大学に入る為の準備もしてたんですけど、なんかもう流されてそっちに行っちゃったって感じですね」

ーー流されやすい自分が嫌いだからもっとちゃんとやろうって思う人は多いと思うんですけど、あまりそういうのはないんですね?

「それがないんですよね。流されることで漫画とかにも色んなことが反映されてたりしてると思うし。多分自分だけだったらすごい保守的だから、あまり冒険もしないだろうし」

ーー流されるくらい色んなものに感化されて吸収していきたい、って感覚なんですかね?

「そうですね。そういう感じです」

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木下晋也
(29歳/漫画家)

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きのしたしんや……1980年大阪生まれ。
06年に 『ユルくん』 (東京漫画社)でデビュー。8コマ漫画 『ポテン生活』 で 08年の講談社MANGA OPENで大賞を受賞し、モーニング、モーニング・ツー、モーニング公式ウェブサイトにて同作の連載をスタート。現在は他にまんがくらぶ(竹書房)、季刊真夜中(リトルモア)などに連載を持っている。『ポテン生活』は現在コミック1巻〜3巻が絶賛発売中。

【公式ウェブサイト】……『ポテン生活』木下晋也

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